好実ちゃんは、女子トイレに入っていた。


私達も、女子トイレに入る。




「植田さん……」


「好実ちゃん…………」




「うっ………ぐずっ…………ひっく…」




膝を抱えて泣く好実ちゃん。




まさか、私も桜子ちゃんが好実ちゃんを叩くなんて、思っていなかった。


桜子ちゃんと好実ちゃんは、学校でも、いつも一緒に行動していたから……。


でも、このゲームを始めて、ニセモノを殺す派と殺さない派に分かれた時から、ちょっと二人の間に距離が出来ていたのは、なんとなく勘付いていた………。




だけど、だからって………。




「うっ、自分が、泣き虫なのは分かっていた…………ぐすっ…。


でも、でも、ひどいよ……桜子………うっうっ…………」


「植田さん、元気出して。


植田さんは何も悪くない、そして、北出さんもだ。


皆、このゲームのせいで少し冷静さに欠けているんだ。


北出さんだって、辛いんだよ」


「山崎君……………」


「さあ、皆のところへ戻ろう」


「うん…………」