「どっちかにして。


ぬいぐるみ隠すか、隠さないか」




目を吊り上げて、桜子ちゃんは言った。




「土井が言ってたやつでいいんじゃないか?


ぬいぐるみと人形で取り引きするっていうの」


「俺も、それがいいと思う」


「私も」


「私も」




私の案に賛成したのは、山崎君、空峰君、好実ちゃん、飯島さん。


そして、反対したのは、桜子ちゃんと橘川君だ。


どうしても、中学生達が許せないらしい。




「……多数決だから仕方ないよ、桜子。


ぬいぐるみと人形で、取り引きしよう」




好実ちゃんがそう言うと、桜子ちゃんは、




「どうして。


どうしていつも好実は人の意見ばっかり賛成するの。


美玖のときだってそう!


ニセモノを殺すか殺さないかで揉めたとき、美玖に言われたから、殺さない派にいったんでしょ!?


どうして、どうして自分の意見をはっきりといわないの!?」




と、いきなり怒り出した。