「別にどうってことないね。


こいつが『絶対に殺してはいけないプレイヤー』だろうが、ニセモノだろうが、俺はこいつを殺したかった。


それだけ。


別にこいつが殺せたのなら、俺が死んでも、皆が死んでも別によかった」




と、安西君は包丁の刃を見つめながら、言った。




「美玖を殺したかったって……。


どうして………どうして、そこまで殺したかったのよ……………!」




恐る恐る、私は安西君に聞いてみた。


すると安西君は、




「だって、こいつが俺達を肝試しに誘ったんだろ?


こいつのせいで、俺達はこんなゲームに付き合わされたんだ!


こんなゲームのせいで、竹井も死んだ!


仲間が仲間を殺すなんて、ひどいことが起こったんだ!!!




大体、全てはこいつのせいなのに、こいつはゲームに対して積極性に欠けている!!


ぬいぐるみは探したくないだと!?


友達が友達を殺すのは、もう見たくないだと!?




馬鹿馬鹿しいっ!!!




だから、俺もぬいぐるみは探したくないっていうのに賛成して、こいつを殺す機会を窺ってたのさ!」