「まさか、この屋敷で働いていたなんて………。


知らなかったよ………」


「こんな偶然も、あるものなのね」




と、桜子ちゃんが言った。




そう、桜子ちゃんの言う通り、これは偶然だ。


ここで山崎君のお母さんが登場したからと言って、山崎君が直接この屋敷と関係しているわけではない。




山崎君とこの屋敷は、関係ない。




空峰君が、日記のページをめくった。




「7月7日


今日は七夕。


おりひめさまとひこぼしさまに おねがいごとをした。


お外にいけますように。」




そのページの隣には、色とりどりに描かれた星と、織姫と彦星らしき人が描かれていた。




とうかちゃんは、どうして外へ行けないのだろうか?という疑問が強くなる。