いぬのきもち。





「お風呂あがったよー。
タロ、次どうぞ。一人で入れる?」


「入れるよっ」




タロがなぜだかムキになる。


意外と負けず嫌い……。




「シャンプーは?洗ってあげよっか?」


「えっ!?ま、間に合ってます!」



あはは、間に合ってます、だって!


タロのくせに!!




タロがお風呂に入っている間に、私はタロの着替えを用意する。


大きめのスエット上下でいいかな。




浴室のドアを開けて中に声をかける。



「着替え、ここに置いとくよ-」


「うわ!」


「きゃ!」




自分で覗いておいて、視界に入ってきたタロの全裸姿に、私は思わず叫び声を上げてしまう。





だって……だって……男の身体!


いや、当たり前だけど!





幸いにもタロは後姿だったけど、程よく筋肉のついた背中や引き締った腰、筋の浮かぶ腕を見ると、なんだか恥ずかしくなってくる。




私がかすかに頬を染めて視線を彷徨わせていると、タロはもっと赤い顔で見つめ返してきた。




「ちいったら……積極的……」




私は「ばか!」と怒鳴って、力いっぱいドアを閉めた。