いぬのきもち。





大家さんが帰った後。




「あはははっ!!

ちい、俺のこと、犬だと思ってたの!?

犬が人間に変身したって!?」




コウちゃんは遠慮なしに爆笑する。


私はタロを抱きしめながら赤面した。




「だって……」


「ちいったら、相変わらず天然!」





つまりーーーこういうことだったらしい。



私に会うため(恥ずかしいな!)に、はるばる地元から出て来たコウちゃん。


でも結局道に迷ってしまい、力尽きて行き倒れたところを、たまたまタロ捜索中だった私が発見して。


私は愛犬のタロだと早とちりして勘違いして、連れ帰って来てしまったというわけ。




「8年ぶりなのに、すぐ俺のこと分かって、あっさり家にまで入れてくれたから、妙だと思ったんだよな〜」



「私も何か変だと思ってたよ………」