現在の時刻、8時25分。 虹子奈と白髪の少年は滑り込むように校門に入った。 道中、あまり遠いわけではないが、急な坂道があるため2人ともヘトヘトだった。 白髪の少年は息を切らしながら虹子奈に笑顔を見せた。 「じゃあ僕は先に行くね。入学式、あと5分で始まるから君も早く行った方がいいよ」 少年は学校の方へとまた走り出した。 その姿はまるで風の如く駆け抜ける馬のようだった。