「美桜、ママね、結婚しようと思うの。」
ママが私に、頬をピンクに染めながら言った。


私は、立花　美桜、小2。

パパは、私が、年長さんの時に、病気で死んじゃった。

それからはママと2人で暮らしてる。

パパが死んじゃって、泣いてばかりのママだったけど、一生懸命お仕事を頑張ってくれてるの。

何回か、お家に、かっこ良くて優しいオジちゃんが来てくれた事があったけど、その人かな…。

そのオジちゃんは、私にも、とても優しくしてくれた。

そのオジちゃんがいる時、ママは、パパが生きていた時と同じくらいの笑顔をしていた。

そんなママを見るのは、とても大好きだ。

「ママ、私のパパは、パパだけなの。」
そう言うと、ママは悲しそうな顔をした。
「だからね、パパじゃなくて、お父さんなら良いよ。」

クラスの何人かが、『パパ』じゃなくて『お父さん』と言ってる子がいたから、私もそれを真似してみた。

「美桜、ありがとう」

ママが泣きながら、私をギューッと抱っこしてくれた。