街灯が点々と連なる薄暗い道は、負の感情を助長させる。


 だけど、向かう先は当たり前のように彼の家で、それが付き合っていることの証明のように思えてほっとしてる。


 感情の行方は、わからないけれど。


 ――しばらく歩くと、懐かしい記憶がよみがえってきた。


 少し先に見えた、お花屋さん。


 そのお店で働いているのは彼の親友で、かつて私を好きだと言ってくれた人。


 私を可愛がってくれる、優しい先輩。


 長らく会っていないけど、今でも時々連絡を取る。


 私がその人と関わるのを彼は余り快く思ってないみたいだけど、信用してくれているのか黙認。


 今回、久しぶりに彼と地元に来るからと連絡を入れたんだけど、お店が忙しいためか返事は来ないままだった。


 そりゃあ、24歳でお店を任されたら忙しいよねって思う。


 だけど近くにいるわけだし、スマホを取り出してダメ元でもう一度メッセージを送った。


 ……少し余計なことも交えて。