深夜12時25分の束縛


 唇が離れ肩で息をする私は、彼の目に嫉妬の色が浮かんでいるのを見た。


「あいつと仲良くしすぎなんじゃないの?」


 聞こえたその言葉に少なからず狼狽えたけど、そんな私に今度は優しいキスを落とした困り顔の恭也くん。


「……ごめん、妬いた。それと、もう1つごめん」


 ふわりと抱き上げられ、耳元で聞こえた震えた声。


 その目が熱を帯びていることに気付くのに、そう時間はかからなかった。


「……抱いていい?」


 言葉の意味を理解して驚いたけど、赤面しながらも頷いた。


 ……恭也くん、私からもごめんね。


 こうなったのは半分、私の所為、かも。


 直後、ポケットの中で短い振動。


 それに気づかないふりをして――。


 Fin.