唇が離れ肩で息をする私は、彼の目に嫉妬の色が浮かんでいるのを見た。
「あいつと仲良くしすぎなんじゃないの?」
聞こえたその言葉に少なからず狼狽えたけど、そんな私に今度は優しいキスを落とした困り顔の恭也くん。
「……ごめん、妬いた。それと、もう1つごめん」
ふわりと抱き上げられ、耳元で聞こえた震えた声。
その目が熱を帯びていることに気付くのに、そう時間はかからなかった。
「……抱いていい?」
言葉の意味を理解して驚いたけど、赤面しながらも頷いた。
……恭也くん、私からもごめんね。
こうなったのは半分、私の所為、かも。
直後、ポケットの中で短い振動。
それに気づかないふりをして――。
Fin.



