私の手首を引っ張り、無言で歩く恭也くん。
今日初めて触れた、なんて考える間もなく着いたのは彼の家。
乱暴に鍵を開け、音を立てて開いた扉。
恭也くんに思いっきり腕を引かれ、飛び込んだ先は彼の胸。
後ろで、扉の閉まる音がした。
と同時に、耳元で響いた大きな音。
後ろのドアに押し付けられ、顔のすぐ左側にはさっきの音の原因、恭也くんの右手。
「なに……っ!」
前触れもなく、恭也くんの唇で私のそこを塞がれた。
微かにお酒が香る、荒々しいキス。
激しくて蕩けそうになる。
こんなキスがあることを、私は今まで知らなかった。



