「しかし、もう11月なのに緊張感が無いのは危ないよな。」

「一般にしても推薦にしてもかなり危ない。皆本気で受験する気あるのかな?」

「間違いないな。」

「でも祥香ちゃんのクラスは皆一般でしょ?切磋琢磨出来るじゃん。」

「実はそうでもないんだ。」

すごく神妙な面持ちでこちらを見る祥香に違和感を感じた。

もしかして何かあったのだろうか…。

「何かあったの…?」

「実はさ、1人推薦で行ったんだ。」

「へっ?」

「何が“へっ?”なんだよ。」

「いやビックリして。…理数科でも推薦行ったんだ。」

「うん。I女行ったよ。」

「I女…!またまた凄い所に行くのね。で、その顔つきしてると言う事は何かあるの?」

「別に。てか何も思ってないから。」

そういう割には怒ってる様に見えるんだけどなぁ。