「クミ?」
不思議そうな顔をして、右京が振り向く。
「僕を、蓮貴の所に連れて行って。」
「え…」
右京の顔が曇ったのがわかる。
「お願い。」
一瞬逡巡した右京だったが、直ぐに頷いた。
「駄目だよ!卓毅は普通の人間なんだからさ!危ないよ!」
尭が僕の片腕を引っ張って止めようとする。
「尭…」
僕は尭の手をやんわりと外そうとしたが、彼女は抵抗を続ける。
「やめろよ」
「?!淳くん……」
それを、溝端が諌めた。
「やだ、どうして?!だって、卓毅が…」
溝端はバタバタする尭の腕を後ろから掴み、僕と目を合わせた。
「行って来い」
それに対して僕は無言で頷いて返した。


