絶対零度の鍵



訊ねた先の、右京の表情が、揺れる。



後ろに居る左京も、何も言わない。




「蓮貴の命は、長過ぎるんだろ?」




「完全なるメリットではない。」



再度訊ねた僕に、そこにいない筈の声が返って来た。




「あ!あんた!今までどこに行ってたのよ!?」



僕から目を逸らした右京が、声の主に噛み付く。



「逃げたのかと思ってたぜ、じーさん」



左京も呆れたように肩を竦めた。




「え…猫?」



尭が首を傾げる。



僕等の居る所から、すぐ側に崩れた城の残骸が山となっている。



その瓦礫のてっぺんから、金色の毛並みの猫が僕等を見下ろしていたのだ。




「鍵師…」



失礼だけど。



僕もとっくに逃げたものと思っていた。