絶対零度の鍵

老人の言葉が合図だったかのように、空が暗くなる。



「温度師が居なくなって、この世界の均衡はとっくに保たれなくなっておるんだぁなぁ。結界の外の景色が見えないのも、そのせいじゃ。灼熱国の町側は歪みができてしまってるからなぁ。さらに死の雨が降ったとしたら―」



「世界が滅んでしまうんですか?」



淳の質問に老人は虚を衝かれたような顔をした。



「温度師の禁忌でしょう?鍵を集めて死の雨を降らすと世界が滅びる、と。」



淳は急かすように尋ねる。


自分が居る空間の時代を認識したからだ。



卓の話が正しければ、この闘いは数千年前のもので、なんとか温度師を封印することに成功したものの、すぐさま逃げられている筈だ。




「ある意味で、滅びる。が、、、温度師の禁忌は世界の滅び、ではない。」



やがて老人が吐いた言葉は、淳の予想していたものではなかった。




「どういうことですか?」



「それは―」