絶対零度の鍵

大体の計測だったが、老人の場所と自分の場所との距離、撒かれた砂の幅や位置などから導き出された答えは概ね正解だった。


この通路は幅が大体1メートル50cmといった所か。


高さは20m以上はある。

万が一風に煽られて落下すると、命はないだろう。



幸運なことに、淳は高い所が平気で、恐怖心はなかった。


むしろ途中でしゃがみこみ、何もない道の感触を確かめる余裕すらある。



なんの素材だろう?


ざらついた感触は煉瓦を彷彿とさせたが、組み合わせたような、繋ぎ目が感じられない。



考え込みながら、淳は立ち上がり、歩き出す。



道の全長は、10mないし15m位か。




時折地響きのような細かい揺れがあるが、支障はなかった。



反対側は半壊しているというのに、城の表側は何事もないような雰囲気すらあった。


ただ。


城壁に立っていた時に不思議に思ったことがひとつあった。



外の景色が、何も見えなかったのだ。



霧がたちこめているかのように真っ白で。