絶対零度の鍵

しかし、問題は今がいつか、だ。


なんだってよりによって俺だけこんな所に飛ばされたんだ―




「…お若いの…」



えっと。地震が起きて、それから―



「もし、そこのお若いの。」



………


……


「おーい」







眼鏡の中心を中指で押さえながら、淳はパチッと瞑っていた瞼を開いた。




周囲をきょろきょろと見回すが、誰も見当たらない。




おいおい、勘弁してくれよ。また幻聴か?




淳は溜め息を吐く。




「ここじゃよ!ここ!」


「!?」


再度聴こえた声に、淳は本腰を入れて声の主を探した。



「ここじゃ!」


見ると、城壁から少し離れた所にある円筒形の塔に小窓があって、そこから老人が手招きをしている。