絶対零度の鍵

「くっ、いけない、戻らねば」



男の癖に長い黒髪を揺らし、詩尉は爆発の方に目をやりながら呟いた。


それから横目でちらと淳を見る。



「俺はお前に会った事はないが―、志願兵だろう!」



「え、いや、ちが…」




否定しようとする淳だったが、詩尉は突然淳の腕をぐいっと掴み、その場に立たせた。




「いいか!今闘いは向こうが6割、こっちが4割って所だ。かなり厳しい状況だが―隙を狙ってどうにか突っ込め!俺は先に行く!」




そう言うと、詩尉は黒の剣を鞘から引き抜き、もう一度城に飛び移ろうと身構えた。




「あのっ!!向こう、、、って?!」



「何を今更。蓮貴に決まっているだろう!!!」




かなり引っかかる捨て台詞を残し、詩尉は姿を消す。




後に残された淳は暫く固まる。




「蓮貴…って…」




いつ、灼熱にやってきて、いつ、闘いが始まったんだ?!


こんがらがった頭を整理する情報はないものか、と順を追って考えてみるが、時の流れが理解できない。