絶対零度の鍵

「お前何者だ?!あんな所に突っ立って何をしていた!?避難命令はとっくに出されている筈だろう!」



聞き覚えのある声だった。



「聞いてるのか!!?」



怒られているんだということは理解できたが、淳はそんなのお構いなしに、相手の顔をまじまじと見つめた。



細身で、長身。



だが、あの力と足のばねを考慮すると、相当な筋肉が付いている筈だ。



それから太くて、低い声。



思ったより、イケメン。




「あんた…詩尉さん?」



「!?」



一瞬、男の瞳が揺れた。



淳には絶対的な自信があった。




この男は、さっき偉そうな人に怒られていた家来っぽい人だ。




「お前―?」




男が眉間の皺を深くさせた所で、また爆発音が轟いた。