絶対零度の鍵

淳の背は高い。



太っているわけではないが、それなりに筋肉は付いている。



そんな淳を小脇に抱えて、あんな下から、こんな高さまで―20mくらいか―持ち上げるなんて、尋常じゃない。



一体どんなモンスターが自分を抱えているのか、胃の浮くような状況でも確認したかったのだが、がっちりと腰をホールドされているためにかなり難しい。



ここまで思考を働かせてもまだ数秒。


軽い衝撃と共に、淳の眼下の景色は煉瓦に変わる。

城壁の上のようだ。


そこでやっと男の力が緩み、乱暴に落とされた。



が、淳も予想していたので、しゃがみ込むような格好にはなったが、掌と足を出したので痛い思いはしないで済んだ。



これでやっと確認できる―


そう思って見上げると同時に。




「この馬鹿がっ!!!」



一喝された。