絶対零度の鍵


声が、でなかった。



ただ、心の中でだけ、呟く自分がいた。



嘘だろ、と。



目を開いた先に広がっていたのは、先程とは全く異なった風景。



いや、同じ場所なのは、確かだ。


ただ、全然違う。



砂漠の中のオアシスのごとくあった庭は、全てが枯れ果てて、一部は根こそぎ掘られてしまったかのように穴が開いている。




眩暈のような、歪(ゆが)みはもう感じられないが。



それ以上に、苦痛に感じられる風景だ。




美しかった建物は崩れかかっており、先程まであったテラスも半分はもうない。





―何が、あったっていうんだ。




混乱する頭は、珍しい。



ここまで予測不可能なことは今までにない。