絶対零度の鍵

なんにせよ、淳からは二人の風貌は見ることができないので、すべて声だけで想像しているのだが。



―大きさが、偉い人の方が小さかったら、ちょっと笑えるな。



声だけ聞いている分には、偉そうな人の声は少し高い気がするが、男の声だ。


家来もそうだが、こちらは太くて低い。



年齢にしてみると、家来の方が上に感じられる。




「兎に角!一刻も早く温度師を捕らえるのだ!極寒の国にも使者を行かせよ!」




「はっ。」



家来は勢い良く返事をし、




「あの…温度師に最後に接触を持った者が現れましたが、お会いになられますか?」




おずおずと訊ねた。




「最初にそれを言わないか!!今すぐに会う!謁見の間に来させるように!」




「はっ!」




それからひとつの足音が遠退いていく。



もうひとつは―




カツ。


ザッ。カッカッカッ




「…はぁーーー」



どうも、一度偉い人の後を追いかけたが、途中で立ち止まって思い直し、テラスの手すりに掴まって盛大な溜め息を吐いたようだった。