絶対零度の鍵

翠の言葉とは反対に部屋の中はちょうど良い暖かさで、尭は不思議に思う。


しかし。



「さ、ほら!!花が枯れますよ!」




「わ、わかったわよぉ…」




翠に掛け布団をめくられ、尭は黙って言う通りにすることにした。



昨晩渡された作務衣のようなものに袖を通した尭に、翠は分厚い上着を手渡す。




「すーっごい寒いので、絶対これ!必要です!」




斯く言う翠も、頭まですっぽりと覆われるような衣を着ている。




やっと目が覚めてきた尭は、ぱちぱちと瞬きしてそんな翠を見つめた。




「そんなに?」



「ええ!絶対!」



「でも…ここは寒く感じないけど…」



翠はあぁ、という顔を一瞬したが、すぐに溜め息を吐いた。