翠の部屋は十分広く、和室のような所に低くて黒い机と、朱色の座椅子があった。
隅には化粧台だろうか、長い鏡がついており―布が被せてはあるが―黒地に朱の模様が入っている。
「この奥が寝室になってます。お姉さんが薬湯に入っている間、お休みになれるよう支度を整えておきますから。」
翠は先に入って、部屋の境のようになっている引き戸を開きながらこちらを振り向いた。
翠の向こうに見える部屋には、敷き布団を低い台の上に載せたようなものがあり、ベットと呼ぶべきか、それとも敷布団という方が正しいのか、尭にはわからなかった。
それでも、和の雰囲気の方が色濃くあることは言うまでもない。
もっと近くに行こうとして、机の傍を通り過ぎた時、ふとあるものが目に付いた。
「…押し花?」
机の上にいくつか置いてある栞に貼ってある押し花だ。
薄らとクリームのような色が着いているが、恐らく元の色は―
「かわいいでしょう?」
立ち止まって一点を注視している尭の傍に翠が寄ってきて言った。
「私の好きな花で、ユキバナって言うんですよ。」
隅には化粧台だろうか、長い鏡がついており―布が被せてはあるが―黒地に朱の模様が入っている。
「この奥が寝室になってます。お姉さんが薬湯に入っている間、お休みになれるよう支度を整えておきますから。」
翠は先に入って、部屋の境のようになっている引き戸を開きながらこちらを振り向いた。
翠の向こうに見える部屋には、敷き布団を低い台の上に載せたようなものがあり、ベットと呼ぶべきか、それとも敷布団という方が正しいのか、尭にはわからなかった。
それでも、和の雰囲気の方が色濃くあることは言うまでもない。
もっと近くに行こうとして、机の傍を通り過ぎた時、ふとあるものが目に付いた。
「…押し花?」
机の上にいくつか置いてある栞に貼ってある押し花だ。
薄らとクリームのような色が着いているが、恐らく元の色は―
「かわいいでしょう?」
立ち止まって一点を注視している尭の傍に翠が寄ってきて言った。
「私の好きな花で、ユキバナって言うんですよ。」


