絶対零度の鍵



ガァァァッ!!


動かぬ闘いに痺れを切らしたのか、白い虎が右京に再び襲い掛かる。



「あー、もう!あんたはも少し大人しく寝てた方が良かったのに!あたしはあんたのこと嫌いじゃないの。」



大きく開いた獣の口に、臆する事無く右京は飛び込んで行き、その牙をぐいっと持ち上げる。




ガァガァガッ!!




閉じようとしても、叶わない口に、獣は戸惑っているようだ。





「ふふんっ」




得意げに笑った右京は、次の瞬間少し残念そうに眉を下げる。




「ごめんねっ、あんた、ちょっと悪さが過ぎるから、この自慢の牙を折っちゃうね?」




言い終わらないうちに、二つの牙を片手ずつ持ったまま、右京は掛け声を掛ける。



「えいっ!!」



ガキーーーーン



バラバラバラ




術を使ったのか、単なる握力を使ったのかは定かではないが、獣の牙は粉々に砕け散った。



支えがなくなったせいで勢い良く閉じられた口から、右京はぱっと外に出てくると、今度はその鼻っ面に思い切り握った両手を振り下ろす。