絶対零度の鍵

僕が知っていると言ったら、翠はがっかりするだろうな。


少し前の蓮貴を脳裏に思い浮かべながら思った。


あの裏山のてっぺんで。


呪われた力だと呟いた蓮貴に、僕が同意すると、彼は驚いた顔をした。



村の者達は、選ばれし一族と言うのに、と。




「…翠は、蓮貴を誇りに思う?」




「―え?」




唐突に聴こえたのだろう。


翠は首を傾げた。




「翠は、蓮貴が温度師だっていうことに、誇りを感じる?」




もう一度訊ねると、翠は足を前に投げ出し、地面に手を着いて空を仰ぐ。