次に目を覚ましたのは、真夜中のようだった。
薄暗かった室内は最早真っ暗で、ほぼ何も見えない。
微かな月明かりのようなものが、障子を伝って入るだけが頼りだ。
身体が大分軽い。
試しに指に力を籠めてみる。
ぴくっとぎこちないながらも、動いたのが分かる。
久々の感覚過ぎて、自分の身体だと認識するまでに時間を要した。
次に腕、足、首、背中と順番に恐る恐る力を入れていくと、思ったよりすんなりと起き上がることができた。
時折鈍い痛みは走るものの、歩くには造作ない位だ。
床に足をついてみようと試みた。
「うわっとと…」
寝かされていた場所は床よりもやや高い位置だったらしく、予想に反した足が反動でよろめく。
「ふー…」
なんとか踏みとどまり、転ぶのを避け、安堵の溜め息を吐いてから、障子に手を掛けた。


