絶対零度の鍵

人間である二人が、なんでここにいるのか、という当然抱くべき疑問を左京は抱かないらしい。



「で、その、蓮貴しかいないっていうことは、この発端がっていう意味として受け取っていいの?」



右京がやっと軌道修正を図ってくれた。



「蓮貴って、、さっき卓毅が話してた…透さんのこと?」




尭の言葉に僕は頷く。


尭とは幼馴染みだから、僕の兄とも面識がある。


それはつまり、蓮貴を知っているということにもなるわけで。




「なんか、、色々信じられないことは沢山あるけど、、、その中でも輪をかけて信じられないな。透さんが、悪い人、なんて…」




年の離れている兄は、尭にも勿論優しく穏やかで、好かれていないわけがなかった。



なんなら、僕の同級生の女子は大体一度は兄貴に恋したといっても過言ではないんじゃないだろうか。



「…うん」



僕は頷くことで精一杯だ。