絶対零度の鍵

「俺はさ、田中より先にその谷みたいなとこにいたんだよ。流星群が見れる日じゃねーか、と思って実は夜中からあの小山に行ってた。」



いつの間にか笑うことを辞めた溝端が、目じりの涙を拭いながら言った。



「そーいや、そんな時期だったな…」



完璧忘れていた。


できれば見にいこうと思っていたのに。



「あそこ行けば、卓もいるかと思ってたんだけど…居なかったんだよなぁ。」




ちょっと残念そうに溝端が言う。





「それに。。別に曇ってもなかったのに、ニュースで見れるって言ってた流星群、一個も見れずじまいだった。」




「え。マジ?僕が夏休み前に調べた時には―」




思わず口を開くと―




「「僕??」」




溝端と尭の二人が声を揃えて僕を見つめた。



あ、しまった。



今更気付いても後の祭りだ。



一瞬の静寂の後、ふたりが同時に噴出した。





「だははははははっなんだその真面目くんキャラ!?」



「似合わなーい!!」



もう、ほんと、どーしてこんな二人、記憶喪失にしなかったんだろう。