絶対零度の鍵



「それはお主の身内だからだろう!」



覚悟してはいたが、間髪入れずに出てきた反論にへたれな僕はちょっと怯む。



「いえ…そういうわけではありません。ただ、、、」



自分の兄が、伝説の温度師だとは、今でもまだ信じがたい話だけれど。


目の前でそうなったからには仕方ない。


格好悪いけど、かなり、ショックを受けた。



別にブラコンてわけじゃないし、むしろ出来過ぎた兄貴に嫉妬していた部分もあった。



けど、やっぱり大事な存在には違いなかったんだと痛感した。





そして、あれからずっと考えていた。



蓮貴は本当に、世界を亡くそうとしているんだろうか?



それなら、どうして、自分の手駒になってくれそうな温度師を手元におかない?




どうして、あの時。




「蓮貴の力が今の温度師を一瞬で消せるほど戻っていたにも関わらず、彼は右京左京そして鍵師に手を出しませんでした。」





自分が追われる身だということをわかっていないわけではないだろう。



いずれ対立するだろう相手を、見す見す逃す。


あれは、そんな馬鹿な人じゃない。