絶対零度の鍵

「この城は広いから、合間合間に移動の鍵が設置されているの。だから、一定の間隔に置かれているそれを越えると移動するんだよ。」



「へぇ。」



右京の説明が僕には少ししか理解できなかったが、とりあえず相槌を打った。


とにかくそんなに移動できるんなら、今すぐここから、その広間とやらに行かせてくれればいいのにと願う僕はひねくれているのだろうか。




「さぁ、着いたよー」



そんなことをぶつくさ考えていると、あっという間に一際大きくて、目立つ装飾が施されている扉の前で右京が止まった。グスたちも止まった。



内心、え、もう?って感じだ。



なんだか長く歩いた気がしないでもないが、実際はほんの少しの時間だったのかもしれない。


違う世界に来るっていうのは、色々大変なんだな。


扉に施された金色の紋章のような模様を見つめつつ、他人事のようにそう思った。