絶対零度の鍵



そこで、僕は固まる。


なぜなら声だけでずっと右京だと判断していて。


寝ぼけ眼で言われるがまま起きて着替えをしようと服を探したりしていたわけで。


右京のことをきちんと見ていなかった。




「あぁ?あたしに外に出てろって言ってんの?仕方ないわねぇ。5秒で済ませてね!」




僕の異変には気付かずに、右京は早口でそう言うと、さっさと部屋から出て行った。




「び、びっくりした…」



口の悪さや、態度のでかさに違いはないけれど。



片翼が完璧に生え揃った、そしてここの衣服を纏った、白銀の髪の少女は―



僕がこれまでに見たどんなものよりも。


美し過ぎて。



右京が口を開かなきゃ、黙ったまま永遠に見惚れていたかもしれない。


そんなことを思い巡らしながら、僕はいそいそと身支度を整えた。