絶対零度の鍵




「蓮貴様…お目覚めになりましたか?」



いつの間にか、兄貴の傍まで来ていた温度師が、兄貴の前に恭しく跪(ひざまず)く。



右京と左京は先ほどのまま、まだ苦しんでいる。




僕は固まったまま温度師を睨み付けるが、



「れ…んき?…」



今しがた聞こえた名前を、信じられないような思いで口にした。



まさか。



そんな。



何千年も前の存在が?




「…お前が、私を起こしたのか?」




静かな声で、蓮貴と呼ばれた男は温度師を見下ろす。



「はい。貴方様と志を同じくする者です。」



「ふん、禁忌を犯したのか?」



「いえ、私の力では無理でございます。貴方様のお力がなくては叶いません。」



「だから、俺を起こしたのか。」



納得したように蓮貴は軽く頷いた。