「タクミ」
こそこそっと抱えている猫、じゃない鍵師が僕を呼ぶので目をやると、後ろを見ろという身振りをする。
あ、そういえば。
慌てて僕も、右京たちを探す。
「あっ」
温度師が両手を上げて手の平をぐっと握り締めている。
その両方の宙に右京と左京は苦しそうに首を押さえ、もがいていた。
直接手は触れていないものの、温度師はまるで二人の首を締め上げているかのようで。
「右京!左京!…つっ、あれ?」
咄嗟に助けに行こうとするが、例えるなら飛行機の離陸時のようにものすごい重力が、僕を押し付けるので抗うことが出来ない。
「どうしたんじゃ?なんじゃコレは」
それは鍵師も同じようで。
僕らは少しもその場から動くことができなかった。


