絶対零度の鍵



「フン、鳳凛の馬鹿犬か。やはりあの時あそこで始末しておくべきだったな」


そう言うと温度師は扇子をクィっと高く上げて仰いだ。


ボワッ


小さくなっていた炎が息を吹き返し、火炎放射のように吹き付ける。



僕の前に立つ氷の柱は瞬時に溶ける。


右京は思い切り炎を喰らった。



「右京!?」



燃えたように見える右京は顔色ひとつ変えずにその場に立っている。



あ、熱くないのかな?


僕は要らない心配をしているようだ。





「あたしも甘く見られたものね!」




燃え盛る火は、右京の伸ばした両手の中に、徐々に吸い込まれていった。