温度師が左右に指を振ると、たちまち炎が空気中を切り裂くようにして現れた。 まるでそこだけ破けてしまったように、空中に浮かぶそれはメラメラと燃え上がり― 「うわぁっ」 僕に襲い掛かった。 勢い良く飛び退くが、時既に遅し。 生き物のごとく口を開けた火は僕を飲み込もうと向かってくる。 規格外なこのパワーに、僕はもう駄目だと瞼を閉じた。