ズシャァァッ
砂埃を舞い上げて、兄貴と一緒に倒れた僕は、直ぐにパッと顔を上げる。
少し先に倒れた兄貴は、気を失っているように見えた。
「邪魔だな」
ほっとしたのも束の間、氷のように冷ややかな声が頭上からした。
目の前に立つ、先程の男。
即ち…今の、温度師。
「兄貴に、、何したんだよ」
僕は兄貴を庇うようにして立ちはだかる。
「お前に答える義務はない。元々お前に兄なんて居ない」
扇子を取り出して、口元を覆うと、温度師は見下すように僕を見た。
「そこをどかないなら、容赦しないよ」
そう言うと、扇子を持っていない方の手の指を、こちらに向ける。


