絶対零度の鍵


公園の街灯が、次々に点灯した。




そして、ちょうど兄貴の真後ろに、音もなく、男が立っていた。




「…あ、にき」



乾ききった声で、僕は兄貴を呼ぶが、届かないのか兄貴は動かない。



前髪が揃った、丸眼鏡の男は、首からじゃらじゃらと懐中時計のようなものをぶらさげている。



青白いその顔は、口角を上げた。




―笑ってやがる。




その男が何者なのか、検討はついていた。


狙っているのが、、、誰なのかも。




男は、兄貴に向かって細くて白い腕を伸ばす。




「兄貴っ!」


もう一度今度は大きく呼ぶと、僕は弾かれたように走って兄貴に体当たりした。