絶対零度の鍵






段々と―


足が、動かなくなった。


重い鉛をつけられているかのように、


地面に縫いとめられてしまっているかのように、


ピタリと、僕の足は止まる。



兄貴は、こちらを見ないまま、ただ、その場にじっとしている。


足元の、小さな白い花を、見つめて。




「!?…空が―」




背景が、空が、急速に流れていく。


雲の流れが、早送りされていくように、辺りはあっという間に闇に包まれた。



空に星も月も、見えない。



この異変は、僕の頭がおかしくなったのか、それとも現実なのか。



暑い夏なのに、ひやりとした空気が漂う。