絶対零度の鍵



「!」



―そうだ。


僕はどうして今まで気づかなかったんだ。


思い出さなかったんだ。


どうして忘れていたんだろう。


自分の馬鹿さをここまで呪ったことはない。


僕は、少しずつ後ずさりを始める。



一輪の花の傍に佇む美しい漆黒の髪の少年。



目と目が合った瞬間。


僕は呟いた。




『君は―』









『僕の兄貴じゃないか』