「申し訳ございません!されどお聞きください!」
恐らくこの役人の下に使えている者なのだろう。
その必死の形相から非常事態なのが伺える。
蓮貴は、自分の動きを止めて事の成り行きを見ていた。
「火事が!あの問題にあげられていました書庫が燃えております!」
「なにぃ!?」
詩尉と呼ばれた役人が、困惑した表情を浮かべた。
「あそこは重要書の紛失で、今日これから調査が入る所だったろう?元々あそこは悪い噂の絶えない場所でやっと立件できる可能性がでてきたというのに!」
書庫?
蓮貴の頭に何かが引っかかる。
「書士はどうした?」
「それが―」
詩尉の問いに、後からやってきた男は一度言葉に詰まる。
「中に居る模様です!」
とうとう、詩尉は立ち上がる。


