絶対零度の鍵





「誰かが、泣いているみたい…」



翠は赤くなった素足で、蓮貴の家からの帰り道をとぼとぼと歩いていた。


蓮貴は家には居らず、翠は途方に暮れていた。


雨に降られ、それが雪に変わり、大気の様子が不安定になっていることが翠にもわかった。


この村で、気候の変化はよくあることなので、そんなに気にすることはないのだが、


その様子が余りに寂しげに翠の目に映り、心を揺さぶる。



更に、聞いたことの無い鐘の音に理由のわからない焦燥感が沸き起こる。



「なんの知らせだろう」



寒さに肩を震わせながら、翠は首を傾げた。