絶対零度の鍵



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それから数週間経ったころ。



「本当に覚えていないのか?」



翠は書庫を管理する書士から問い質しを受けていた。


翠の住んでいる家は、決して大きいわけでも、一族の中で目立つものでもない。

その上古いが、大事に手入れされてきたのであろう。

佇まいはしっかりとしていた。


その中の一室、大きな机のある座敷に、父と母、そして翠が書士と向き合う形で話し合っていた。


「はい。お掃除を手伝った時にいただいた書物は全て図鑑だったと思います。他にそんな古い本があったかどうか…」


翠は怒られている子供のように、しょんぼりとしている。


「私達も、見かけていませんから。我が家にはないと思うのですが…」


翠の父も同意するように首を傾げた。