ぺら、ぺらと分厚いその本を、興味本位で捲った。 「!」 そして一瞬で理解する。 これは、温度師の為の本であり、温度師に見られてはいけない本でもある、と。 載っている事柄は、あってはならないことであり、考えも及ばない事だった。 だが、しかし。 駄目だと思いながらも、読み耽ってしまう。 頭では、こんなことあるわけないだろうと馬鹿にしながらも、書かれている言葉は一字一句、記憶に刻み込まれていた。 本を持つ手が震えた。 結局陽が沈むまで、蓮貴は池のほとりに座して、一冊の本を読むのに没頭した。