絶対零度の鍵



「…このクミは、右京の命の恩人じゃよ、左京」


それまで黙ってみていた鍵師が、優しく言う。


「…恩人??」


鳩が首を傾げた。


「左様。右京の羽がないのが見えておろう。全て生え揃うまでには何ヶ月もかかるだろう。温度師に負わされた致命傷だ。」


鍵師の言葉に鳩は右京の肩に止まり、暫くじっとしている。


多分僕が思うに、右京が僕と握手して色々な情報を引き出したのと同じようなことをしているのだと思う。


鳩の癖に何かに集中しているような、真剣な顔をしているからだ。



「…ふん」



少しの時間が経つと、鳩は忌々しげに呟く。



「どうせ命はとられるのに、生かされたのか」



そして鳩はソファの端に腰を下ろし、羽を前で組み、胡坐を掻いた。