絶対零度の鍵

結局猫は最後の最後まで、煙草を吸い切った。


右京はぶすくれたまま、ワンピースなのに(おかんが買ってきたらしい)胡坐をかいて、猫のことを睨みつけている。


僕は目のやり場に困って、二人から…もとい、一人と一匹から離れた場所で、体育座りをして見学者を決め込んでいた。


「さて…と」


やがてゆっくりと猫は碧の瞳を開ける。



「右京、、きっとお主はここに来るだろうと思っていた。」



「…どういうこと?」


ふてくされている右京は猫を怪訝な顔をして見つめている。


「…雨が、降っただろう」



思い返すように、遠い目をした猫は、心なしか苦しい表情をしている。



右京が頷いた。



「あれが、何を意味するか、知っているか?」



「知ってるよ。統治している星が死ぬ前兆だって」



右京が答えると、猫は首を大きく縦にふった。



「それから?」


「…それからって?」