絶対零度の鍵

「つまり!好き同士ってことだよ!」


呆れたように説明すると、右京は、あぁ、と言った。


「結婚てこと?」


違う。

決定的に違うけど。


「…ま、そんなもんだよ」


訂正するのも億劫になって、投げた。


「ナイナイ、在り得ない」


やけに冷めた口調で右京が言うので、思わず表情を伺ってしまう。


あの時―


公園の小山の頂上からどこか遠くを見ていた、


あの時と同じ目で、彼女は呟く。


「人間なんて、大嫌い」


その言葉に温度なんてものはなくて。

吐き捨てるように放たれたきつい言葉だった。

僕自身に言われたわけじゃないみたいだけど、

なんか、心がちょっとぎゅっとなった。


哀しい?


ちょっと違うな。


がっかり?


うん、そんな感じ。