絶対零度の鍵

「望月ぃ…お前、今なんつったっけ?」


「落ち着けよ小松。望月は彼女のホームステイ先なんだ。一緒に帰ってもおかしくなんかないだろ」


溝端…。お前、わかってるだろ。


僕は微動だにしないまま、心の中で自嘲気味に笑う。


小松は馬鹿だ。


頭で考えることが大の苦手だ。


つまり、理屈は通じない。


だから、一緒に帰る=付き合っている=恋仲という方程式しか持ってないコイツに、当たり前の事を言ったって通じない。


それをわかっていながら、この場においてわざとらしく偽善者ぶるお前の心は真っ黒だな。


相手を小ばかにしながら、面白がっているだけなんだろう。


「そんなことは、どーだっていいんだよぉ!」


案の定、小松は話の半分も理解しないまま、右の拳をパンッと自分の左手の平で受ける。


「勝負しろコルラァァァ!!!!」


出た。


小松の雄たけび。


意味不明の決闘。