絶対零度の鍵

お世辞にも太いとは言い難く、その上生っちろい自分の腕に思わずがくっと項垂れた。


「まぁまぁ、ホームスティだし、な。付き合ってるわけじゃないんだし、しょうがねーじゃん、な?」


溝端が鼻息荒い小松を宥める。


「ふん!まぁ、そうだよなぁ。しかし、この俺はあの百合の花のような子と付き合いたい。望月、お前なんとか協力してくれないか?」


溝端はあらら、と絶対面白がっている顔で僕を見た。


くっそー、偽善者め。


思いっきり冷たい一瞥を溝端に向けてから、今度は引き攣った造り笑いで小松に向き直る。



「協力なんてできねーよー。俺は右京のことはよく知らないんだ。母親とはよく話しているみたいだけど、俺はほとんど話したことも無い。それに、小松は男前なんだからさ、俺の協力なんてなくたって十分イケるって。」


うん。完璧な答え。

優等生だ。

人の良さそうな望月を演じられた筈だ。


「お、そうかぁ?」


真っ赤な嘘だよ、ばーか。


そのまま引き下がって、はいさよーなら。


ノってきた小松を前に、僕は嘘くさい笑顔を貼り付けたままでフリーズ。


3、2、1…


「クミー!!!」