絶対零度の鍵

午前中だというのに、刺す様な直射日光。

あぁ、そういや今日は予備校にいかなきゃならなかったのに、と心の隅でおかんの鬼顔が浮かぶ。

でも、最初っから行く気なんかなかったんだから、まぁいいかと思い直し、僕は立ち上がった。


騒がしい蝉の鳴き声が、ただでさえ暑い温度をさらに上げた気がした。


エレベーターに乗る所から始まって、公園に辿り着くまでというもの、右京はあちこちを物珍しそうに見回していた。


僕は彼女に言われて渋々案内しているのに、はっと気づくといつの間にか姿を消していて、違う場所で何かを観察していたり、お店に入ってしまったりしている。大半は誰かに話しかけて迷惑をかけている右京を探すのに苦労したので、途中何度も振り返って確認しなければならない羽目になった。


それで気づいたことがある。


彼女が着ている服は、僕のだ。


僕が兄貴ん家に泊まりに行った時に置いていった服を着ている。


僕は細身だし、身長も170位しかないので、大体一緒らしい。

しかもちょっとお気に入りのカーゴパンツ。

それからgood day!の文字が入った嫌味なのかって思うTシャツ。

靴は僕のじゃさすがにちょっと大きかったのか、見覚えがないから彼女のだろう。